ピナレロ藤田

2006アイアンマン・マレーシア・ランカウィ参加記

平成18223日から28日にかけて56日(機中1泊)でアイアンマン・マレーシアに行ってきました。トライアスロン暦21年の私も海外は初参戦ということで期待胸一杯&不安少々のレース旅行となりました。旅行全般で感じたことを思いつくまま書き綴ってみますので今後参加を検討される方の参考になれば幸いです。

226日(日)730分夜明け直後の海面にスタートの号砲が鳴り響く。スイム軟弱派の自分はバトルを避けようと15分前から最左翼にてフローティング待機、集団を右に眺めながらの長い一日が始まった。水温は28度以上あろうか、トラパン1枚(ほとんどの人が同じ)だが全く寒さを感じない。快調!快調!穏やかな海面は波もなく集団の大外にいるのでユルユルとマイペースで前進する。今回はスイムには少々自信があった。思えば夏の手賀沼スイムからサボっていた水泳を1月から再開し、今大会までに週2回、計10回を集中的に泳ぎこんでいた(といっても最高で3kmだが)ので波さえなければ1時間40分位で上陸できるだろうと。コースは時計回り折り返しコースを2往復、行きは潮流に逆らうせいか結構時間がかかるが帰りはアレッと思うほど早い。思っていたほど透明度は良くなくて手賀沼とあまり変わらない(ウソ、でも1m先は見えない)のが残念。淡々と3.8kmを泳ぎきり上陸すると1時間30分、上々の出来だ。

タンクトップを着てバイクスタート、コースは下見していないが平坦基調の片道30km3往復ということなので最初の60kmをアベ30kmで入り以後アップしていく作戦?だ。これまた快調!快調!で緩やかな上り坂も楽に30km維持で前走者をどんどんパスしていく。まだまだ序盤なのでセーブし心拍をLSDレベルに抑えて走る。今回は得意とするバイクに一番の不安を持っていた。ロングライドは10月の茂木耐久で約250km走って以来全くやれなかった。本大会への参加を1月に急遽決めてからロングライドをやる予定だったが膝を痛めたため130km筑波山ツーリングを2週間前に1回きり走っただけだ。コースはごくなだらかなアップダウンが続く平坦コースで風も緩やかでインナーは不要だ。エイドは10km間隔であるので心配もない(はずだった)。不安があるため1周目を抑えて入ったのに2周目80km地点で右大腿前部に痙攣発生、なぜ?(バイクでの痙攣は初体験)と考えつつセーブ走行していたが左大腿前部も痙攣する始末。バイク上でストレッチしつつ色々ポジションを変えていくうちにDHポジションで痙攣することが判明、アップバーポジションで引き足重点のペダリングでの巡航にシフトする。

辛いバイクとなった。まだ100kmも走っていないのにツーリングペースとは。気温はグングン上昇し既に30度近いか、ボトルの水を背中、腿、ヘルメットの穴からも注入し体温上昇を抑える。調子が悪いと集中力が切れて回りの環境が気になる。コース脇で「ウォーター、プリーズ!」と叫びながらボトル頂戴の合図を送る子供たち、同じくボトル拾いのバイク集団、ゴミ集積場の臭い。さらにエイドによっては給水ボトルの水が生水に(なんてこった!)変わっている。むくんだ足がシューズを圧迫し右足裏の焼け付くような痛みまで発生、バイクを停止させようかとも思うが違う動作をとろうとすると痙攣の兆候がでるため、バイクゴールまで耐え忍ぶ。途中上位5〜6選手にラップされるものの呆然と見送るのみ。とても長かったバイクを今回ツアーで一緒になった関西の中川さん(62歳ハワイ常連、木下さんのライバル!?)と同時にフィニッシュし、握手。開催する国の経済事情まで考えさせられる初めての180.2kmだった。


さあ、最後のラン。足はもはや役立たずの鉛入り状態、精神力は風前の灯となったが、タップリと日焼け止めを全身に塗ってもらいヨッコラセッ!と歩くようにスタート。この時点で約8時間、タイムアウトまでは8時間以上あるので意識さえ失わなければゴールは間違いないなと時間内完走を目指す。ランコースが非常に酷なコースで片道5kmを4往復、行きはダラダラ上り、帰りは下りの精神力勝負といえるものでした。気温は35度を超過し、まさに消耗戦、1km間隔のエイドを目標にひたすら足をただ前に運ぶことだけに専念する。時間は意識せず(時計は一度も見なかった)エイド以外は走りとおすことを自分に課した。エイドではまずスポンジで氷水を全身にザバザバかけてもらい帽子と背中ポケットに氷を入れスポンジを両肩にはさんでドリンクを2杯飲むのを基本とし、時々バナナ、オレンジ、パワージェルを補給するといった「何が何でも完走するぞ戦法」で機械になりきる。歩かないかわりに1kmごとに1分〜2分停止していただろうか。ランのエイドはなかなか大したもので気持ち良くサービスが受けられ感激、「テレマカシー(ありがとう)」の連発でした。また、道路の同じ側を行って来いするので仲間と何度もすれ違い励みになるのが良い?ところか。いよいよ最後の4周目に入ると陽も落ちて夜光スティックをパンツの前後にはさんでの走行、あれだけ補給したのになぜだか頭が朦朧として更にペースダウン、ほとんど歩行と変わらない速度となっていただろうか、白線を頼りにまっすぐ前進することに専念する。そしてやっとたどり着いたフィニッシュ地点、ライトアップされた会場はすごい盛り上がりだ。やっと帰り着いたという安堵の気持ちと不甲斐ない成績しか残せなかった情けないような気持ちが複雑に入り混じる。自分の名前がアナウンスされるのを聞きながら42.2km、総距離226kmのゴールテープをきった。13時間50分、長い一日が終わった。


ホテルのベッドに入っても疲労と日焼けの痛みで寝付けず状態、翌日はまさに全身疲労困憊で心拍数は普段より25拍高い73、バイク分解では両手とも痙攣が続き、力を入れると息があがり休み休み時間をかけてやっとのことでパッキング完了。このあと長いフライトが待っていることを考えてため息が...。

★テーマごとの所感

《暑熱対応》

赤道直下のリゾート地であるランカウィ島は連日炎天下で30度を軽く超過し真冬の日本から直行した身には結構こたえました。しかしながら雨が全く降らないので湿度は低くカラッとしているので日陰に入ると結構快適(?)です。現地入り後は暑さに慣れるため散策しまくりました(途中休憩のためホテルに帰ってビールを飲んで昼寝も)が、一日15km程度は歩いたような気がします。これが成功かあるいは痙攣の遠因となったのかは不明です。

《食事》

水道の水は絶対にあやしい。ミネラルウォーターは2Lペットボトルが60円位です。

食事は安い。一食200円あればことたります。ただし大衆食堂の話。マレー系の他に中華料理、インド、タイなの色々あるようです。ナイトマーケットの屋台でも美味しそうなのがあれこれありましたがレース前でもあるので止めておきました。丹羽さんや永井さんなら触手をのばすこと間違いなしです。

《旅費》

私の場合、総予算20万円。エントリー費4万円、ツアー代12万円(1人部屋、朝食込み)、食費は5千円で十分、その他お土産代に成田空港までの交通費

《大会運営》

一言でいうとアバウト!日本感覚でいちいち腹を立てていたら神経が持ちません。ちなみに毎年スタート時間が参加要綱では0700なんだけど、この時刻は真っ暗闇でスタート不可能!常連者いわく「勉強しないところは天晴れだよね〜。」おそらく助言する人はいても現地の人が動いてない(のんびり気質)ような気がする。

《応援》

現地で応援してくれるのは市街地に住む一部の富裕層だけなのでは。庶民はロードレーサーなど乗ることは皆無の土地柄でバイクコースは物乞いの子供と野猿と牛しかいない。これはかなり悲しい。

《レースの課題》

なんといってもランニングでしょう!ランだけで全てをひっくり返すことが可能かな。あと、バイクはペダリング技術(回転を止めることがない)が重要かと思います。スイムは全く問題なし。

《また行きたいか?》

うーん、来年は止めときます。散策は楽しいけど、この時期のアイアンマンレースはちと厳しい。

<